この作品を観終わったとき、新しい議論と、待ち詫びた希望が生まれるような、未来の女の子たちのためのオムニバス短篇集としたいと考えています。
今、わたしたちが向かうさき、
シネマコンプレックス/大きな映画館の暗闇に身を隠したとしたならば、
10本に1本は、女性の手による映画作品に出会うことができるかもしれません。
それは、多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
わたしたちがこんなにも映画を求めていることと、
その現実は、釣り合っているのでしょうか?
女の子たちが、こんなにも映画館に足を運んでいる日々の中で。
スクリーンの向こう側で、
映画の女の子は、呼吸を続けられるのでしょうか。
そのような、もう一つの暗闇から、
スクリーンを見上げてーー
夢物語のような話かもしれません、
いつか、この世界の、スクリーンでかかる映画のうち、どうか半分が、
映画の女の子たちの手によって紡ぎ出されたscene/光景になること……
そんな未来のための一歩を、
今、たしかに踏み出そうと考えています。
映画を撮らなくては、生きてゆけない女の子たちと手を取り合って、
映画を観ることで、はじめて生まれ変わることのできる女の子のために、
スクリーンを、鏡のように向かい合わせに見つめながら、
21世紀を、切り拓いてゆきたいのだと、気づいています。
夢見た一篇一篇の製作が、始まり、そして結ばれつつあります。
非常に短い募集期間のキャストオーディションには総勢2000名もの声を、
そして、監督公募には、厳しい応募条件にも関わらず約200通もの挙手をいただきました。
響きは、呼応してゆきます。
ひとりひとりの想いによってだけ果たされる革命の予兆に、
耳を澄ます、わたしたちがいます。
そうなってほしいと願うわたしたちが生きている季節のうちに、
21世紀は、必ず女の子の映画の世紀となります。
——きたれ!21世紀の女の子
「星空に、魂を灼きつけるような映画を撮りましょう。」
うつくしい映画の到来への祈りを、このたった今もやめられぬ、
まだ見ぬあなたこそ、21世紀の女の子なのでしょうか?
映画館と、それにまつわるすべての宇宙にて、
あなたをこそ、お待ちしています。
企画・プロデュース 山戸結希 2018年春に